身体障害者補助犬(盲導犬・聴導犬・介助犬)について
盲導犬・聴導犬・介助犬などのように体の不自由な人の生活を助けるために働いてくれる犬が社会に受け入れられるために、2002年10月1日、身体障害者補助犬法が施行されました。これにより、補助犬に対する理解や支援が広まっています。ここで、補助犬の中の盲導犬を主として簡単に説明いたします。
盲導犬
1.盲導犬(ガイドドッグ)の働き
盲導犬は、目の不自由な人の歩行を助けてくれます。ですからユーザー(犬の使用者)は、道などを安全で快適に歩くことができるのです。
2.盲導犬の一生
盲導犬となる犬たちは、概ね盲導犬訓練施設、または繁殖ボランティアのもとで誕生します。
子犬はパピーウォーカーという子犬の時期を育てるボランティア家族に預け育てられます。
1歳になる頃、犬たちは訓練所にもどり、盲導犬としての訓練を受けたり、盲導犬としての適正も見極められます。ここで盲導犬になれなかった犬たちは、ボランティアの家庭に行きます。
訓練を終了し盲導犬として認められた犬は、ユーザーとなる目が不自由で盲導犬を希望している人と一定の期間をともに生活する共同訓練を行い、互いに認め合うパートナーとしての絆を結んで訓練所を卒業します。
盲導犬とユーザーは、ユーザーの住む環境でも安心して歩行できるように訓練士の指導を受け、いよいよ新しいパートナーとの生活が始まります。
盲導犬として活躍できる年齢には限りがあります。犬の健康面や安全のために約10歳から12歳頃に引退(リタイヤ)します。その後は退役犬ボランティアの家庭か訓練施設でのんびり老後を過ごします。また、多くのユーザーは盲導犬が引退すると次の盲導犬を希望し、新たなパートナーとの生活を始めます。
3.ボランティア
盲導犬事業には、多くのボランティアの支えがあります。ボランティアの活動内容は色々ありますので、全国の盲導犬施設などの紹介をご覧下さい。
4.盲導犬を連れたかたと出会ったら
盲導犬は、ハーネスを着けてユーザーと歩いている時は、集中してお仕事をしています。もし、あなたが盲導犬と歩いているユーザーさんに出会ったら、優しい気持ちで見守ってあげてください。犬の注意を引くような行為(犬に触る、食べ物を与えるなど)は、盲導犬とユーザーにとっては安全に歩行することを妨げることになります。
盲導犬はユーザーの指示で行動しています。もしユーザーがなにか困っているようすでしたら、あなたの優しい気持ちを声にしてユーザーに話しかけてみて下さい。もし、盲導犬が通路をふさいでいたり、その他何か困った行動をしている場合は、ユーザーに教えてあげてください。ユーザーは目が不自由であるがゆえに、それに気づいていないかもしれません。
聴導犬
聴導犬とは、耳の不自由な人が生活するために必要な音を聞き分けて知らせてくれる犬です。例えば、玄関のチャイムの音、電話の呼び出し音など、音のするものを知らせてくれます。
介助犬
介助犬とは、手足が不自由な人が生活するために必要な動作を補助する働きをしてくれる犬です。例えば、床に落ちた物を拾ったり、扉の開け閉めなど、手足が不自由なためひとりではできない動作を助けてくれます。
(注)聴導犬と介助犬の詳しい説明は、それぞれの関係団体などのホームページをご覧下さい。
補助犬は心のパートナー
補助犬と共に生活する事は、使用者にとって生活の補助をしてくれるだけではなく、過ごした時間が使用者や家族にとっても大切な心の支えとなってくれます。どうぞ補助犬とその使用者や家族のことをご理解いただき、あたたかく見守って下さい。